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HR COLUMN

人事向けコラム

2020.03.27

派遣

派遣する側もされる側も注意しておきたい「二重派遣」とは


派遣スタッフを受け入れる企業にとって、もっとも注意したいのが「二重派遣」です。しかしそもそも二重派遣とはどのような状態を指すのでしょうか?
 
今回は「二重派遣」の定義や該当条件に加え、予防するための対策方法についても解説します。

二重派遣とはどのようなもの?

二重派遣とは、派遣スタッフが派遣会社から派遣された先の企業で、別の企業へと再び派遣され業務をおこなっている状態を指します。
 
通常、派遣スタッフは派遣先企業の指揮系統に従って業務をおこなうのが通常です。
 
しかし、派遣スタッフを受け入れた企業ではなく、別の企業へそのスタッフを派遣すると「二重派遣」となってしまうのです。これは本来の勤務先と実際の勤務先が異なる状態とみなされるため、違法と判断されるからです。
 
また、派遣先企業(仮にA社とします)が別の企業(B社)から請け負っている仕事を、B社で派遣スタッフにおこなわせた場合も二重派遣に該当します。たとえA社が請け負った業務であっても、実質はB社で指示を受けて業務を担当していることになるからです。
 
もし二重派遣に該当した場合は、二重派遣を命じた派遣先企業や二重派遣先の企業、会社の代表者や人事責任者なども罰則対象となります。
 
また、違反が公表された場合は、企業のイメージを著しくダウンさせる恐れもあります。イメージダウンを招かぬためにも、二重派遣に関する正しい知識を身に付けて未然に防ぎましょう。

二重派遣に該当する条件は?

二重派遣に該当する行為には、大きく分けて以下の2つが挙げられます。
 
・本来の派遣先企業(A社)から別の企業(B社)へ派遣スタッフを送り、派遣手数料を得てB社の指揮命令で働かせる「派遣の派遣」
 
・派遣先企業(A社)が請け負った業務を派遣スタッフがおこなう際に、請負を依頼した企業(C社)の指示のもと、C社で業務をおこなう「偽装請負」
 
そもそも派遣スタッフは派遣会社と雇用契約を結んでいる関係であり、派遣先のA社が他の企業へ派遣スタッフを転用するような行為はできないのです。これはA社が労働者派遣許可を得ていても許されるものではありません。
 
また、請負を依頼したC社は、請負先のA社に対し業務の進行に関する指示をおこなうことができません。
 
ただし、派遣先のA社の人間が派遣スタッフに同行し、C社で業務指示をおこなうのであれば問題はないとされています。働く場所が変わっても、指示をおこなうのがA社の人間であればよいということです。

二重派遣の予防には、日頃から策を講じることが大切

二重派遣の予防には、日頃から策を講じることが大切
派遣スタッフを受け入れる企業は、日頃から二重派遣への予防意識を持つことが大切です。まず、企業内の誰が派遣スタッフに指揮命令をおこなうのか、本部と現場で共有しましょう。
 
また、定期的に本部が現場の勤務状態を確認することも重要です。もし二重派遣が疑われる場合は、派遣スタッフに実態の聞き取り調査をおこない、真相を把握して対応をおこなう必要があるでしょう。
 
二重派遣は、労働者にとって不利益かつ安全な労働をおこなう権利を損なってしまうものです。さらに、二重派遣を命じた企業は“労働基準法”や“職業安定法”などの法律違反とみなされ、罰則を受けることになります。
 
企業のイメージダウンを避けるためにも、どのような行為が二重派遣にあたるのかを企業全体で見直し、今いちど共有と周知徹底を図りましょう。

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