2024.01.12
その他
人事の業務に役立つ「ナッジ」とは? 意味や活用方法を紹介
行動経済学・経済心理学のひとつである「ナッジ」は、人事の業務においても役立つと言われています。
相手の自発的行動を促すための手法のため、強制されている感覚を与えることなく、相手を誘導することができるとして、日常生活においても多くの場で取り入れられているものです。
そこで今回は「ナッジ」とはどのようなものなのかについて、構成要素や活用事例を含めてご紹介していきたいと思います。
人事において、どのようなシーンでナッジを活用することができるのか、確認していきましょう。
「ナッジ」とは?
「ナッジ(nudge)」とは、「ひじで軽く突く」という意味を持つ言葉で、2017年に、アメリカのノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー教授らが提唱した行動経済学理論です。
ナッジでは、相手に行動を強制することなく、軽く注意を促しつつ選択の余地を残した状態で行動を促すため、相手が自発的に意思決定したという感覚で行動を起こすことができます。
会社の施策がなかなか従業員に浸透しない、無理強いすることで従業員からの反発を受けてしまうといったことはよくあることです。
そのような際に、ナッジの理論を効果的に取り入れることによって、従業員との関係性を良好に保ったまま、企業施策を浸透させることができるとして、近年、世界中のさまざまな企業活動だけでなく公共政策においても、ナッジの活用が見られます。
「ナッジ」の構成要素
ナッジ理論は、次にあげる4つの要素から構成されています。
1.「Easy」(=簡単)
人は、簡単で楽に行える行動を選ぶ傾向があります。回答を求めるものであれば、記述ではなく選びやすい選択肢にしたり、説明文では専門用語は使わずに誰にでも理解しやすい言葉を使います。
2.「Attractive」(=魅力的)
相手が魅力的だと感じる選択肢を用意することで、行動のきっかけづくりを行います。
業績を挙げるための表彰制度などが、これに該当します。
3.「Social」(=社会性)
求める行動について、社会的な動きであると感じさせることで、違和感なく行動へ移させます。
ある従業員が行った行動について、「皆が行う行動である」と感じさせ、他の従業員にも同様な行動を促します。
4.「Timely」(=適切なタイミング)
タイミングを見計らって次の行動を促す考えです。たとえば、成績を上げて気持ちが前向きになっているタイミングで、更なるステップアップを促すというように、本人の心の動きを利用して次の行動を促します。
「ナッジ」の活用事例
人事の業務では、従業員のモチベーションアップやスキルアップを図るうえで、会社からの強制ではなく従業員が自発的に希望して行うよう、道筋づくりを行う業務が多々あります。
たとえば、人事部主催の任意参加の研修へ広く従業員に参加してもらいたい時、ナッジの理論を活用することができます。
具体的には、参加確認の際にデフォルトを「参加」とし、欠席者のみ連絡を要求したり、研修によって得られる知識についての魅力を事前に伝えたり、前回の研修へ大勢の参加があった旨を公表するなどです。
ナッジの意味や活用事例をお伝えいたしました。
ナッジは良好な関係性を維持しながら相手に行動を促すことができます。ご自身の業務にも、積極的にナッジを取り入れてみてはいかがでしょうか。
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