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業界向けコラム

2022.07.08

その他

マタハラ・パタハラの問題点とは? 企業が行うべき防止策


共働き世帯が全体の約7割にのぼる現代でも、マタハラ(マタニティ・ハラスメント)やパタハラ(パタニティ・ハラスメント)の問題は尽きません。マタハラやパタハラが発生すると、被害を受けた社員・家族のみならず、企業にとってもさまざまな悪影響が及びます。
 
ここではマタハラ・パタハラの問題点や、企業ができる防止策をご紹介します。

マタハラ・パタハラとは? 該当する行為

マタハラは妊娠や出産・育児をする女性社員が対象で、パタハラは父親である男性社員への嫌がらせ行為を指します。
 
組織内で発生しがちなマタハラ・パタハラには、以下のようなものがあります。
 

  • 妊娠や出産、産休・育休の取得に対する嫌味を言われる
  • 女性社員のつわりなどの体調不良に対し、放置や仕事を与えないなどの嫌がらせをする
  • 「女性が家庭に入って育児に専念すべき」などの価値観の押しつけ
  • 産休および育休取得社員への退職勧告
  • 妊娠・出産・育児を理由に、一方的な退職や重要な業務からの転換を促す言動を取る
  • 男性社員が育児支援制度(育児休業など)を申請しても承認しない
  • 育休の取得を望む男性社員に利用を諦めさせるような言動を取る
  • 育休利用の男性社員に対し異動、転勤、不当な自宅待機、減給や降格などの処分を下す

男性社員の育児休業取得率は2019年時点で7.48%と未だ低水準です。理由としては男女の賃金格差や周りの理解不足なども顕著ですが、「パタハラ」が原因として潜んでいるケースも少なくありません。
 
マタハラやパタハラは「百害あって一利なし」であり、未然に防ぐべきものです。ハラスメント被害に遭った社員の離職だけでなく、企業のイメージ悪化にもつながります。また悪質な場合には、法的措置や損害賠償問題に発展するおそれもあるでしょう。

マタハラ・パタハラを防止するため企業ができること

マタハラ・パタハラが起こってしまう原因にはさまざまなものが考えられます。

マタハラ・パタハラを引き起こす原因を知る

  • 慢性的な人手不足による余裕のなさ
  • 企業の周知・啓蒙不足
  • 周囲の理解不足、価値観の違い

慢性的に人員が足りていないと「ただでさえ忙しいのに休まれると困る」という空気が醸成され、マタハラ・パタハラが増加しやすくなってしまいます。また企業が女性の働き方や産休や育休についての制度、男性の育児参加の重要性を周知していない場合、育児を担う社員に対する理解も進みません。

企業が出産・育児に関する制度を周知していく必要がある

そもそも育児休業とは、条件さえ満たしていれば誰でも申請できる制度です。そこに男女の別はありません。条件がそろっているにもかかわらず、企業側が育休の申請を拒否するのは法律違反となります。
 
また、2022年4月に施行された「改正育児・介護休業法」では、企業に対し「育休制度の周知」「取得の意向を確認すること」が義務化されています。
 
育児休業取得において「1年以上の雇用」という条件も廃止されたため、今後は企業自らが積極的に、社員の育児休業取得について取り組む必要があるのです。
 

  • 男女を問わず産休・育休制度の周知を続ける
  • 相談窓口を設置する
  • 業務の属人化を解消し、誰でも担当できるようにする
  • ITツールやテレワーク制度の導入など、産休・育休がしやすい職場環境を整える

上記のような対策を行い、マタハラ・パタハラが起こらない環境づくりを進めていきましょう。

マタハラ・パタハラ防止には企業にもメリットあり!


 
マタハラやパタハラの問題では、「個人の価値観があるからしかたがない」「該当する行為をした社員を処分すればよい」というものではありません。企業が主体となり、阻止をするための対策やルールを生み出さない限り、問題はおそらく発生し続けるでしょう。
 
企業がマタハラやパタハラを防ぐ対策を徹底的に行えば、ハラスメントで辛い思いをする社員が減ります。
また企業のイメージアップ、離職率の低下などのメリットも期待できるでしょう。
 
全社員が産休・育休を取りやすい環境にすれば、結果としてチーム全体の業務効率が上がることにもつながります。結果として企業全体の生産性向上も見込めるので、積極的な対策を進めていくべきです。

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