2022.04.08
その他
社員は「本当の退職理由」を言わない? 人事にできる退職ストップ策は
売り手市場が続く採用状況の中、人事担当者が頭を悩ませるのが「社員の退職」。事実、人材紹介サービスを手掛ける企業の調査では、「退職を希望する社員の半数以上が本当の退職理由を言わない」というデータもあります。
ここでは社員が本音の退職理由を言わない原因や、人事にできる退職予防策をお伝えします。
近年、退職を申し出る人の半分以上が“本当の退職理由”を言わない?
エン・ジャパン株式会社が2021年12月22日~28日に行った調査によると、退職報告の経験者のうち、「本当の退職理由を伝えていなかった」と回答した人の割合は70.4%。なんと10人中7人が「建前の退職理由」で退職をしていることが分かりました。
(参考:エン・ジャパン「退職理由のホンネと建前[2022年版]」)
本当の退職理由は?
エン・ジャパン「退職理由のホンネと建前[2022年版]」の調査によると、本音の退職理由については「人間関係が悪かった」という理由を挙げた方が28%に上っています。中には嫌がらせ、パワハラ、セクハラといった深刻な理由も。
そのほかには、求人の売り手市場が続いている影響もあり「給与が低かった」など、待遇面での不満も目立ちました。
しかし同調査では、「会社に伝えた退職理由」のTOP3が「体調を壊した(18.5%)」、「結婚、家庭の事情(15.8%)」。「その他(12.5%)」という結果に。本当の退職理由とはかけ離れた理由で退職を伝えている人が多いのです。
こうした本音の退職理由を言わない、言えない背景には、「話をしても理解してもらえない」「もめずに円満退社したかった」といった考えが根底にあると考えられます。事実、同調査ではこれら2点が「本音の退職理由を言えなかった理由」の上位に挙がっています。
人事担当者ができる「退職を防ぐ対策」とは
社員から退職の意志を告げられた時、会社としては引き留めを行うケースが多いのではないでしょうか。
しかしながら、退職の引き留めに応じた退職希望者は、全体の1割強とのデータもあります。
(参考:d’s JOURNAL編集部「退職理由・交渉のホンネ調査2019」より)
そもそも退職者の多くは、次の転職先が決まってから、または目星がついてから退職の意志を伝えるケースが多いものです。人事担当者ができる退職予防対策には、どのようなものがあるでしょうか。
現状の把握
退職予防策を打つためには、離職率や退職の理由を把握することから始めるのが鉄則です。年代や職種など、さまざまな視点から考察すると、企業にとっての課題が見えてきます。
課題を明確にしたら、改善が叶う施策(配置換え・部署異動、人事評価制度の見直し、キャリア開発支援など)を打ち出しましょう。
待遇・労働環境の見直し
待遇や労働環境への不満により退職する社員が多い場合は、給与などの待遇、労働環境の見直しによって退職者を減らすことができます。
職務に対し正当な給与が支払われているか、有給休暇の消化は適切に行われているか。また、特定の社員への業務の偏りや、サービス残業が恒常化していないか……といった点にも注目しましょう。匿名で意見を集め、改善案の策定に活用するのも良い方法です。
社内コミュニケーションの改善
職場の人間関係が健全であれば、社員はストレスなく働けます。しかし、社内でのコミュニケーションが不足している、またはストレスになるコミュニケーション(強要、パワハラ、セクハラなど)が行われている場合、社員にとって不満や苦痛が生じます。
社員や管理職の態度に問題がある場合は、適切な処分を行いつつ改善を行わなくてはなりません。またコミュニケーションロスが問題である場合は、ミーティングや面談で積極的にコミュニケーションを取ることも大切です。
社員の退職を防ぐには事前の施策・取り組みが重要!
社内のコミュニケーション、労働環境・待遇が原因で退職が増えている場合、対策を講じることで予防できます。
退職を希望する社員が現れたら、本当の理由を把握しつつ、次の退職予防に向けて対策を打ちましょう。
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