2022.04.01
派遣
派遣先責任者とはどんな立場? 役割や講習について解説
派遣社員を受け入れる企業のうち、従業員数などで特定の条件を満たした場合には「派遣先責任者」を置く必要があります。とはいえ、派遣社員を受け入れた経験が少ない企業では、派遣先責任者の存在意義や「指揮命令者」との違いがよく分からない……というケースもあるでしょう。
ここでは、派遣先責任者の役割や選任の方法をご紹介します。また、今後義務化されるといわれている「派遣先責任者講習」についても知っておきましょう。
派遣先責任者とは? 役割や選任方法を解説
派遣会社から派遣されたスタッフに対し、一元的な就業管理を行う者を「派遣先責任者」と呼びます。
・派遣労働者に適用される関係法令、締結した派遣契約内容についての周知
・派遣受け入れ期間の管理、変更通知
・管理台帳の作成や記録、及び保存等に関する職務
・派遣労働者からの苦情、申し出の処理
・安全衛生に関する業務
・派遣元(派遣会社)との連絡・調整にかかわる業務
これらは全て派遣先責任者の役割となっています。
派遣先責任者の選任人数について
派遣先責任者は労働者派遣法第41条に基づいて選任が定められており、派遣労働者数100名を超えるごとに
1名選任を行います。
・派遣労働者が100名以下……1名以上
・派遣労働者が101~200名……2名以上
・派遣労働者+事業所の労働者数が5名以下……選任なしでも可
・製造業務に携わる派遣社員51名以上を受け入れる場合……新たに1名の派遣先責任者を選任
なお、派遣先責任者の選任義務がありながらも選任を行わなかった場合は、法令違反として30万円以下の罰金が科されることがあります。
派遣先責任者の選任要件とは
派遣先責任者の選任には次の条件を満たす人物が望ましいとされています。
・労働に関わる法令知識を有する者
・人事労務管理において相当の専門知識、経験を持つ者
・派遣労働者の就業について権限を有している者
また選任の際には、「派遣社員の管理を行うとともに、連絡・調整などにも携わる」という点にも留意が必要です。実際の企業では、職務内容やその役割の性質から「派遣社員と接する機会の多い人材」を選任するケースが多く見られます。
義務化されるといわれている「派遣先責任者講習」とは?
派遣先責任者講習とは、労働関係の法令、派遣先責任者の職務に関する必要知識などを学ぶ講習です。
派遣先責任者が的確に職務を行うための能力向上が目的です。
派遣先責任者講習は、①すでに派遣先責任者となっている者、②選任が予定されている者が主な対象となります。
派遣先責任者講習では以下の内容を学びます。
・労働者派遣事業の適正な運営の確保、及び派遣労働者の保護等に関する法律
・労働基準法等の適用に関する特例等
・派遣先責任者の職務遂行上の留意点
参考:「派遣先責任者講習の実施に関するガイドライン」
派遣トラブルを回避するためには、労働関係法令について熟知し、人事・労務管理に長けた人材を派遣先責任者に置く必要があります。派遣先責任者研修では、派遣スタッフの一元管理を行うために必要な知識、留意点などを体系的に学ぶことができるため、その重要性は高いといえるでしょう。
派遣先責任者について理解を深めよう
派遣先責任者は、派遣社員の派遣トラブルを回避し、適正な労働環境を保つために欠かせない存在です。
また派遣先責任者講習については義務化の可能性が高く、派遣先責任者の選任時、労働に関わる法令改正が行われたタイミングなどで受講が必要になることも予想されます。
派遣者受け入れ企業においては、今後どの社員が選任されても困らぬよう、あらかじめ派遣先責任者の役割の周知、選任要件や講習についての知識付けを行っておくことが理想的です。
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