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HR COLUMN

人事向けコラム

2022.01.28

その他

政府推進の「選択的週休3日制」とは? 企業へのメリット・デメリット


2021年6月に政府が打ち出した「経済財政運営と改革の基本方針」では、選択的週休3日制という働き方を推進しています。導入するかは自由ですが、企業としてはどう判断すべきなのでしょうか。
 
ここでは週休3日制の概要や、企業が導入するメリット・デメリットをご紹介します。

選択的週休3日制とは? 3つのパターンを解説

選択的週休3日制とは、社員の希望により1週間に3日の休暇を取得できるという制度です。政府が推進をしている背景には、人材投資(ヒューマン・ニューディール)政策を実現したい、との思いがあります。
 
週休3日制を導入すれば、働きながら私生活との両立や、大学などを活用した学び直しなどに時間を使うことができます。これにより“多様かつ柔軟な働き方”の実現が可能になるというわけです。

【週休3日制の3つのパターン】

一部の企業では、すでに週休3日制を導入・実施していますが、週休3日制には3つのパターンが存在します。
 
1.労働時間が減るが給与額はそのまま
1日8時間×週4日の労働時間で給与は週休2日のときのまま、というケースです。短い時間で効率良く働く必要があるため、無駄を省き社員1人ひとりがパフォーマンスを向上させる必要があります。「日本マイクロソフト社」が試験的に導入し、大きな話題となりました。
 
2.労働時間が減り、給与額も減る
「みずほフィナンシャルグループ」が導入したのが、従業員の希望により週休3日制(または4日制)を選べるシステム。こちらは労働時間の減少に応じて給与も減る方式です。週休3日の場合は収入が従来の80%、週休4日の場合は従来の60%となります。
 
3.1日あたりの労働時間が増え、給与はそのまま
「株式会社ファーストリテイリング」が導入したのが、週あたりの労働時間はそのままに、週休3日制を実現するスタイルです。労働日数が少ない分、1日あたりの労働時間は10時間、週4日勤務で週40時間としています。

週休3日制を導入すると企業にはどんなメリットがある?

週休3日制を導入した場合、企業には次のようなメリットがあります。ただしデメリットも生じるため、両方を比較検討したうえで導入を判断すると良いでしょう。

【導入のメリット】

週休3日制を導入すると、社員の離職率低下に効果があります。休日を育児・介護の時間に充てたり、スキルアップのための時間に使えたりするため、満足度が高まるからです。また、出勤日数が減るためオフィスの光熱費や残業代の削減などにもつながります。
 
また限られた時間で業務を遂行する必要があるため、社員のパフォーマンス向上、生産性アップも期待できます。週休3日制を導入しているというのは企業の大きな魅力でもあるので、採用戦略でアピールすることで求職者の獲得にもつながるでしょう。

【導入のデメリット】

週休3日制を導入するには制度の見直し、新たな体制を築くための手間やコストもかかります。対象範囲を全員なのか、希望者のみにするのかなども考えなければいけません。給与が減額するパターンの週休3日制の場合、全員に適用をしてしまうと社員が不満に感じてしまう可能性があるからです。
 
また、休日が増えると社内外とのコミュニケーションが不足しやすくなります。ビジネスでの機会損失が生まれたり、社内での情報共有が上手くいかず、業務が滞ってしまったりする可能性があることも知っておきましょう。

状況に合わせて週休3日制の導入を検討するのがベスト


週休3日制を導入すると、社員のライフワークバランス向上や生産性アップなどさまざまなメリットが得られます。また週休3日制を導入しているとなれば、採用戦略において大きなアピールポイントにもなるでしょう。
 
メリットも多い週休3日制ですが、導入の判断材料として企業の勤務形態や状況を把握することが大切。導入したほうがメリットを得られるのであれば、「どのような目的で、どの社員が対象なのか」「形式はどうするか」といった細かな事項を検討していくとよいでしょう。

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