2022.06.10
その他
役職定年とは? 導入メリットや定年後の社員に活躍してもらうコツを紹介
近年、人事対策として「役職定年制度」を導入する企業が増えています。そもそも役職定年制度とはどのようなもので、どんな導入メリットがあるのでしょうか。
ここでは役職定年制度の概要やメリット、定年後の社員に活躍してもらうためのヒントをご紹介します。
役職定年制度とは? 開始年齢は55歳が多い
役職定年制度とは、定年退職よりも早いタイミングで役職(部長、課長など)から離れる制度を指します。役職定年の開始年齢は55歳前後がもっとも多いですが、企業によってそのタイミングはまちまちです。
役職定年制度を導入する企業の多くは、役職の入れ替わり推進、及び人件費削減を目的としています。
【役職定年制度が導入される背景】
- 年功序列、終身雇用制度の崩壊
- 定年延長によりコストが増えるのを阻止するため
年功序列制や終身雇用制が崩壊する中、人材の転職・流出はもはや当たり前になりつつあります。また、「成果主義」の企業が増えたことで、「年齢、勤続年数によって役職を与える」という仕組みそのものが疑問視されているのです。
また2025年の「65歳定年制の義務化」も、役職定年制度の導入を促進している要因となっています。
役職定年制度のメリット・デメリット
役職定年制度の概要を知ったうえで、導入した場合のメリットとデメリットを見ていきましょう。
役職定年制度のメリット
役職定年制度を導入した場合、以下のようなメリットが得られます。
- 組織の新陳代謝が促される
- 若手人材の育成環境が生まれる
- シニア世代が長く働ける環境づくりができる
従来の終身雇用・年功序列の社会では、「高齢の管理職が固定化する」という問題点がありました。しかし役職定年制度により下の世代を管理職へ据えることで、組織の若返り、及び新陳代謝が見込めるのです。
また、役職定年制度を取り入れることで、若手にも役職が与えられるチャンスが生まれます。それに伴い若手育成の環境が生まれますし、若手社員自身のモチベーション向上も期待できるでしょう。
そのほかのメリットとしては、シニア世代が働きやすい環境を作ることができる、という点も挙げられます。
シニア世代の雇用、キャリアプランの構築は企業の課題となっています。役職定年で後輩の育成・サポートへ回ってもらうことで、年齢が上がると共に生じる体力的・精神的負担をやわらげ、長く働ける環境を提供できるでしょう。
役職定年制度のデメリット
役職定年制度のデメリットは以下のとおりです。
- 管理職のモチベーション低下につながる可能性も
- 役職定年後の社員が職場で孤立する可能性がある
役職定年では、一般的な定年退職よりも早期に役職から外れるため、管理職本人のモチベーション低下が問題となります。
また、役職定年後の社員が職場内で孤立してしまう、といった事例もあります。これを防ぐには、キャリアデザイン研修や面談、積極的なフォローを行う必要があるでしょう。
役職定年でシニア世代に活躍してもらうには?
役職定年によって管理職を降りた世代に活躍してもらうには、キャリアデザイン研修を実施し、新たな働き方を見つめ直す機会を設定することが大切です。役職定年者が新たなキャリアへの「目標」を見出しやすくなり、モチベーションを保ったまま働き続けられます。
また、役職定年者が自身でキャリアを選べる環境を作ることも重要です。役職定年者はこれまで多くの経験、スキルを培ってきたスペシャリストでもあります。第一線で働き続けるスペシャリスト、教育担当者(メンター)としての道、管理職のアドバイザーになる……というふうに、選択肢を準備して選んでもらうとよいでしょう。
そのほかには、役職定年者へ「やりがい」を持って働いてもらえる環境を作ることも重要です。
具体的には、「周りからの感謝」「承認」「自己成長、誇り」といったトータルリワード(目には見えない報酬のこと)を与える方法があります。役職定年者にやりがいを持ってもらうには、面談機会を多く設け、周囲からの評価を伝えるなどの方法があります。
自社に合った役職定年制度を導入しつつ、役職定年者が長くやりがいを持って働ける環境づくりを心掛けましょう。
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