B-MAX株式会社様
主に大手コンビニの惣菜やお弁当用にかつおだしをメインとしたつゆ・たれ、調味料の企画開発から製造、販売までを一気通貫している食品メーカー。調味料の素材開発という強みを活かした幅広い製品開発を武器に活躍している企業です。
雇用リスクを抑え、必要な人材を迎える。少数精鋭の会社が駆使したい派遣サービスを活用した人材戦略
少数精鋭の会社ほど、従業員一人ひとりの責任や裁量、会社に与えるインパクトは大きい。また、チーム内の連帯感、一体感もコンパクトな組織ならではの醍醐味だ。こうした背景から、派遣スタッフの採用に二の足を踏むベンチャーも少なくないが、「ベンチャーこそ派遣スタッフを有効活用すべき」と考える企業もいる。
それが、今回登場するB-MAX株式会社だ。150年の歴史を誇るだしの専門メーカー・株式会社マルハチ村松の100%子会社である同社は、2005年に設立した食品ベンチャー。かつお節や昆布などの各種水産物を原料とした水産エキスや、コチュジャンなどの調味料を、コンビニエンスストアを中心に販売している。
従業員数は14名。年商は37億。組織はスモールながら堅調に業績を伸ばし続けている同社で、派遣スタッフの存在はどんな役割を担っているのだろうか。代表取締役社長の渡辺さんと営業部課長で農学博士の杉山さんに話を聞いた。
代表取締役社長 渡辺様
営業課長(開発担当)杉山様
派遣サービスを活用することでハイスペックなスペシャリストを即戦力として迎えられる
コンビニで販売しているざるそばに欠かせないのが、小袋に入ったつゆ。B-MAXは設立以来、このつゆの開発・販売を行ってきた。そこから今日に至る発展を遂げたのは、今から5年ほど前。販売商品を調味料など多種に広げたことから、一気に事業規模を拡大した。
だし専門店であるマルハチ村松を親会社に持ちながらも、今やそれに頼らず、幅広い商品を展開。原料の選定などに制限のあるメーカーと違い、商品ごとに最適な原料を各種取引先からセレクトできる柔軟性を武器に、顧客の信頼を獲得している。
そんな同社において重要な役割を担っているのは、やはり商品開発。現在、RDサポートから2名のスタッフが、この商品開発職として派遣されている。
「弊社が派遣サービスを利用する最大の目的は、即戦力の人材を迎えられること。今、来ていただいている2名のスタッフも、非常に高い技術を持っています。正直に言って、これだけの人材を自社で育てようと思うと、相当の時間とコストがかかる。派遣サービスを利用することでそれをカバーできるのは、私たちのような小さな会社では非常にありがたいことです」(渡辺社長)
そもそも食品業界において、同社が求めるようなスキルを持った人材は極めて稀少なのだとか。
「自分でいい素材を仕入れてきて、見た目も華やかで凝りに凝った料理をつくるだけなら、腕のいい方はたくさんいらっしゃると思います。けれど、私たちが重要視しているのは、ある特定の調味料を使って何か美味しい料理をつくってくださいとお願いしたときに、自分でメニューもレシピも考えて調理ができる力。これができる方はそう多くありません」(渡辺社長)
「付け加えると、派遣スタッフのみなさんのすごいところは時間管理能力。基本的にはおふたりとも18時退社がマスト。決められた時間内に業務を終わらせるには、時間に対する高いコスト意識が欠かせないし、同時に複数のことを処理できるマルチタスク能力も重要です。派遣スタッフとして働いている方は、それがしっかり備わっているんですね。同じ働く仲間として非常に頼もしいです」(杉山さん)
派遣スタッフと良好な関係を築く最善策は、相手の価値観を理解すること
まだ企業規模が小さいうちは、理念共感型の正社員採用を重視する会社も多い。だが、「小さな会社ほど派遣サービスを利用した方がいい」と渡辺社長は太鼓判を押す。
「なぜなら小さな会社ほど雇用リスクは経営の落とし穴になりかねないからです。どれだけ面接に力を入れても、入社した後に残念ながらスキル面や社風面でミスマッチが発生することは十分にあり得る話。大企業ならじっくり育成の時間もとれますが、小さな会社では一人ひとりの経営に対するインパクトが大きく、ひとりのミスマッチが会社の成長戦略に影響をもたらすことにもなりかねません。そうしたリスクを考えると、雇用の流動性が高い派遣スタッフは、少数精鋭の会社ほど合っているんじゃないでしょうか」(渡辺社長)
「特に小さな会社の場合、正社員はオールマイティー化が求められます。ゼネラリストとしていろんなことを幅広くやれる分、専門性を高めづらいのがネック。その難点を補ってくれるのが、派遣スタッフだと思っています。ある特定の分野に関して専門性と責任を持って対応してもらえるおかげで、正社員はより総合的な能力を伸ばすことができます」(杉山さん)
一方で、少数精鋭の組織体制で、雇用形態の違うスタッフが専門業務に就くことは、ディスコミュニケーションの一因になることも。普段、指揮命令者として派遣スタッフと接している杉山さんは、どんなことに気をつけているのだろうか。
「当たり前のことですが、1日に1回は必ず話をするようにしています。特に調理作業に入ると、どうしても調理室にこもりっぱなしになって、顔を合わせなくなる。だから、たとえ相手の仕事に邪魔になるかなと思っても、ちゃんと顔を出し、何かあったときに言いやすい関係性を日頃からつくることは大事です」(杉山さん)
また、雇用形態や働く目的が違うからこそ、相手が何を大切にしているのか理解することも重要だと言う。
「働く上で何を大切にしているかは最初の段階で聞くようにしています。仕事とプライベートをしっかり分けたい方が多いのが、派遣スタッフとしていらっしゃる方の特徴のひとつ。ですから、お休みの要望に関しては出来る限り柔軟に対応しますし。体調の波もありますから、具合が悪いときは無理せず早く帰っていいよと声かけするようにしています」(杉山さん)
マンパワーの足りない小さい会社ほど、派遣会社の細やかなサポートが力になる
さらに、小さな会社が派遣サービスを有効活用する上で大事なのは、派遣会社とのコミュニケーションだと渡辺社長は指摘する。
「スキルの面でも人柄の面でも、弊社がどんな人を求めているのか、あるいはどんな人なら弊社に合うのか、ちゃんと派遣会社の担当の方に理解してもらえているかは重要なポイントです。どうしても短期間でコロコロとお付き合いを変えていると、なかなか本質のところまで理解してもらえない。その点、弊社は設立以来、ずっとRDサポートさんのお世話になっているので、こちらのリクエストにマッチした方をピンポイントで派遣してもらえて助かっています」(渡辺社長)
現在就業中の派遣スタッフは2名ともすでに2年以上同社で働き続けている。円満な関係の裏側には、派遣会社側のバックアップがあると杉山さんは言う。
「スタッフさんの心のケアをきちんとやってもらえているのがありがたいですね。定期的に面談をしていただいているのですが、いつも面談が終わると晴れやかな顔でスタッフさんが帰ってくるんです(笑)。何かあったときにちゃんと相談できて、助けてもらえる味方がいるのは、スタッフさんにとってすごく大事なこと。私たちとしても、派遣法の改正など、必要な知識や情報を随時提供いただけて心強いです。これだけ長くスタッフさんに働いていただけているのは、RDサポートさんの細やかなサポートも理由のひとつだと思っています」(杉山さん)
Writer’s Eye
稀少なスキルを有する人材を企業がほしがるのは自然の摂理。しかし、採用コストを考えると、どうしても小さな会社は競り負けてしまうことも多い。しかも、いざ正社員として採用しても、即戦力として活躍できるかは不確定要素も多く、企業体力の低いベンチャー・少数精鋭の企業にとって、雇用は経営に直結する重要課題だ。
そう考えると、リスクを極力減らし、育成コストをかけずに、スキルの合致した人材を迎えられる派遣サービスは、渡辺社長の指摘する通り、小さな会社ほどメリットが大きいと言えるのかもしれない。
正社員と派遣スタッフの意義や役割、責任の違いを理解し、相手の意志や仕事観を尊重した上で良好な関係を結ぶことができれば、派遣スタッフは組織強化の強力なカンフル剤にもなり得る。戦力補強の一手として考えておきたい。
取材・文 横川良明
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